お話をきかせて

無名のアイドレスプレイヤーのアイドレス日記です。
むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦さん依頼SS
 
子猫は見てたり見てなかったり


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 ぼくたちのママは甘えん坊さんです。
 ぼくたちがパパと遊んでいる時に寄ってきて、パパににゃーんと甘えて遊んでもらったりぎゅーぎゅー抱っこされたり頭や背中を撫でてもらったりするのが好きみたいです。
 時々遊びに来る野良猫のおじさんが言っていました。ぼくたちはまだ小さいからおうちから出してもらえないから、おじさんとは窓越しにお話をします。

 大人というものはできる事もいっぱい増えるけどその分悩みもいっぱい増えるんだって

 ママはよく、パパに向かっていっぱいお話をしていました。ぼくにはまだ分からない事ばかり言っていたけれど、パパとお話ししている時のママはとっても悲しそうでした。
 ぼくたちが、大きくなって立派な猫士になって国のお手伝いができるようになればママの悩みも減らしてあげられるのかなぁ?
 そんな事を、野良のおじさんに打ち明けてみたらおじさんに笑ってこう言われました。

「坊主、親ってのは子供の将来も確かに大事だが傍にいて健やかに成長してくれりゃ嬉しいってのも確かなんだ。今、お前さんらのお母さんは国の問題で頑張って疲れてるんだから傍にいて安心さしてやるってのも重要なことだと俺は思うぜ?」

 おじさんの言いたい事は難しいかったけど。ぼくたちにもママに何かしてあげられるんだと思ったら嬉しくなりました。
 ママ、ぼくたちの大好きなママ。元気になって。


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おまけ

ブラウ「そういえば、パパは犬派だって言ってたねぇ」
ブルー「言ってたねぇ」
ブラウ「犬って見たことないねぇ」
ブルー「ないねぇ」
ブラウ「見てみたいねぇ」
ブルー「ねー」

 後日、おじさんにやめとけを連呼され子猫の兄弟が首を傾げることになるけれど。
 猫でも小さくても、見える世界が限られていても。家族を心配する気持ちはヒトと変わりはないのである。

文族のお仕事 22:24 comments(0)
那限・ソーマ=キユウ・逢真@FEGさん依頼SS
 
小人は歌って仕事する

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 別に彼らは乱獲を恐れて隠れていた訳ではない。
 ただ、たまたま彼らが好み住んでいたのが地下であっただけであり、夜に行動する方が彼らにとって都合がよかったからたまたま昼夜が逆転した生活を送っていただけである。そして、本来地上に住んでいたのが国の発展と共に少々居辛くなったから住みやすい場所に移動した、それだけの事だった。
 それが結果として彼らの存在を公にしなかった訳だから、何がどう物事に左右するか分からないものである。

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 夜の帳が降りた頃。金物街は店仕舞いしたものの、工房はまだ明りが灯っていた。
 その明りの下、金物屋の職人達は黙々と自身の作業に没頭していた。まあ、彼らは黙っていたが金物を鍛える音、火をくべる音でだいぶ賑やかではあったが。

 ハイホー、ハイホー………

 そんなまだまだ忙しい工房に、闇にまぎれて彼らがやって来た。歌を歌い、綺麗な燐光を辺りに少々散らしながら。
 小さい、人。まさしく小人と呼ぶにふさわしいその集団は歌いながら、ぱっと散り散りに分かれて職人達の手伝いに加わった。職人達はその様子をちらりと目に入れてから、すぐ自身の作業に戻った。金物細工はちょっと目を離す事も命取りだからだ。
 
 ハイホー、ハイホー

 小人達は歌いながらもめいめい職人達の手伝いにいそしんだ。彼らの陽気な歌声が、金物を叩く音、火の燃える音と重なり1つのハーモニーを奏でているように感じられた。

 歌いながら、小人の1人が黙々と働く職人達の様子をそっと盗み見た。

 その小人は小人の集団の長であり、職人達の子供だった姿も見ている存在だった。鉄の打ち方、曲げ方など職人の業を人の職人に教えたのも彼だった。
 汗水垂らしながら作業に没頭する、少々愛想のない顔付の者達の瞳をきらきらさせた幼い姿が小人の頭をよぎって消えた。

 あの幼い子達がこんなに大きくなって。自分達が教えた技術をしっかりモノにして何かを作っている。

 それが小人の長には、ひどく誇らしい事に思えた。

 別に自分達の存在を大々的にアピールしたい訳ではない。自分達と似て違う種族がちょっとばかり特殊な力を持っていた為に人に捕まえられた事も知っているから。
 ただ。
 自分や、自分の父、祖父。曾祖父。代々受け継がれてきたよきものが後世に残るという事が重要なのである。
 妖精とて、人より少々長生きなだけで別に永遠の命をもっている訳ではない。物とて、特殊な魔法が掛けられていない限り全く同じ状態を保ってはいられない。

 要は。誰かに物を教え、教えた者が別の誰かに教えている限り。消えないものもあるのだ。

 この国も、大きくなるのと同時に様々な問題も発生したが。誰かに何かを伝える事がずっと続けられればいい。

 そう、しみじみ考えてから長も自身の作業に戻った。

 金物を鍛える音と、金物を鍛える為の火が燃える音。そして職人達を手伝う小人達の楽しげな歌声は工房の明かりが灯っている間ずっと響いていた。

 そこに、1人の青年と妖精が訪れるのはしばらくしてからである。


文族のお仕事 22:36 comments(0)
多岐川佑華@FEGさん依頼SS
川沿いで猫探し

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「まあ、子供の事はおいおい考えるにして、」
「切り替え早いなユーカ」
「猫飼いたいよ、猫。あーあ、さっきの子ウチの子になってくれないかなあ」
「駄目だからな、あれはよその家の猫だろ?」
「べ、別によその子誘拐する気は、ないです、よ?」
「………………(俺がツッコミ入れなかったらどうする気だったんだろ……)」

ある夫婦の会話。ちなみにこの夫婦はアパート在住である。


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 じりじりと、まだまだ夏の気配を残した太陽に焼かれながら。
 多岐川夫妻は近所の川沿いを歩いていた。
 妻である佑華の持つものにカトーは苦笑が禁じえない。

「いや、猫士なら飼えるんじゃないかと」

 確かにこう言ったのは自分だ。自分なのだが………。

「じゃあ野良猫士捜ししようよ、その子飼うよ」

 そんな発想をする嫁もいかがなものか。そもそも猫士は国ごとに管理されているはずだから野良なんているのだろうか。しかも野良猫士捜しと称して持って来たものが微妙におかしい。

「なあ、ユーカ」
「なぁに? ショウ君」

 鼻唄を歌いながら数歩先を歩いていたユーカがスカートをふわりと翻して振り返る。

「猫缶とかつおぶしは分かるんだけどさ」
「うん」
「昆布なんてどうするの?」
「グルメな子だったら食べるよきっと」

 どんな猫だ。
 そうツッコミを入れたかったが、佑華は打たれ弱い上に落ち込みやすい性格ゆえためらってしまった。
 猫缶にかつおぶし、昆布に何故か虫取り網も持ってのほほんと笑う佑華にカトーが脱力していると。
 草むらがかさかさと音を立てて揺れ。猫が飛び出して来た。
 少し前に佑華にドクロマークを渡して去って行った猫とちょっと似た、真っ黒な細身の猫だ。

「あー、猫ー」

 佑華は嬉しそうにその場にしゃがみ込み猫を手招きした。
 黒猫は尻尾をぴんとたてながら佑華のすぐ手の届きそうな所まで来て。佑華が撫でようと手を伸ばした瞬間にぱっと走り去ってしまった。要は佑華、猫にからかわれたのだ。

「あー、ユーカ。残念だったな………」
「………すん」

 佑華はちょっぴり涙目で昆布を軽く川の水に浸けるとそれを被って膝を抱えていじけてしまった。てか何故被る。

「ふみゅふみゅふみゅ………」

 佑華、すっかりいじけモード突入である。この人物、猫は大好きなのだが何故か猫にからかわれて逃げられるパターンが多い。

「うーん………」

 いじけモードに突入した佑華は大変面倒くさい。どんな事を言ってもネガティブな方向にしか捉えられなくなるのである。それで散々頭を抱えて悩んでいるのが佑華と長い付き合いの人物だが、まあ置いといて。
 ネガティブスパイラルを引き起こさずどう慰めるかとカトーが軽く思案した所。

「あ。なあ、ユーカ」
「あい?」

 カトーは目に止まった花をぷちりと根元をちぎって佑華に差し出した。
 1本の茎にいくつもくっついた鮮やかな紫色の釣鐘みたいな花。
 よく見たら、同じ種類の花が群生していた。

「うわぁ、綺麗だねぇ………」

 佑華は片手で被った昆布を剥がしながらカトーから花を受け取った。また、泣いたカラスが何とかである。

「これ、秋の花かな?」
「また辞書で調べるよ」

 野良猫士は、結局捕まえられなかったが思わぬ収穫に佑華は喜び、佑華がすぐ笑ってカトーはほっとした。

 後日、花の名前がツリガネソウだと分かったのだった。
文族のお仕事 11:01 comments(0)
T15と私
 ターン15。私がこの時やった事と言えば……。
 相方避難中につき店長不在のレンタルショップの店長代理を任されたり鍋の国に出張に行ったり、政庁城に避難した皆さんにチョコレート配り歩いたりその後鍋をつついたり。あ、割と色々やってたんだ私。
 色々あって、色々やって。
1番のサプライズは相方・佑華さんの結婚式で起こりました。
 あー、散々泣かれて愚痴聞かされてネガティブ発言ぶつけられた日々とも今日でお別れか。うん、そんな日は来ないだろうけど。というか、明乃ちゃんどこですかー? 
 途中、一緒に参列するはずの友人の広島明乃ちゃん不在に涙目になっていた時にまさかのサプライズが。
 結婚式をとあるお坊さんが取り仕切ったのです。少々身も蓋もない発言をして招待客の皆さんに「景気よくせんかい」とブーイングされていたやたら美形な人。……まあ、私その時は明乃ちゃん不在で泣いてたからそれ所じゃなかったのですが。

Q:引出物の配布をしようと参加者確認していましたが、坊主としか呼ばれていなかったお坊さんも式をとりまとめて下さったので引出物をお渡ししたいのですが、お名前をお伺いしてもよろしいでしょうか?(無名世界観で坊主と呼ばれる方は、「剣王」の宗麟坊さんか「レムーリア」の高知総犬さんしか思い浮かばなかったのですが)

A:高知だよ

 佑華さんが引き出物配る際に出した質疑により発覚した、お坊さんの名前は高知総犬さん。レムーリア出身の良狼さんのお兄さんであり、私が密かに憧れて1度お会いしたいと思っていた人だったのです。当然、彼の正体を知った時にはビビりました。以下、リアルであった発覚直後の駄目会話。

芹沢(中の人)「どうしよ、精進料理と言ったら胡麻豆腐しか思い浮かばないよ!?(←高知さんお坊さんだから)」
多岐川(中の人)「ちょっと待て、何でイキナリ料理作る話!?」
芹沢「いや、何かお土産持って行こうかと思って」
多岐川「普通にお茶請け持って行こうよ」
芹沢「………やっぱ気の利いたお土産って難しいよね(ふう)」
多岐川「いや、いきなり初対面の人間から精進料理振舞われたらびっくりするだろ」

 勝手に狼狽して勝手に混乱してますが。2度目のチャンスを期待せずにはいられない私がいます。うん、でもまずは明乃ちゃんとの優月夜曲。がーんばろ。

(932文字)
文族のお仕事 23:57 comments(0)
むつき・萩野・ドラケン@レンジャー連邦さん依頼SS
 

 幸せは小さなつみかさね

 

 

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 大好きな人の匂い、大好きな人のぬくもり。

 元気になってよかった、またこうしてぎゅーぎゅー抱き合えて本当に良かった。
 

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 しばらく寄り添いながら仔猫達のヤンチャぶりを堪能してから数時間後。

 むつきはカールと共に外に出ていた。藩国の友人達へのおすそわけのパウンドケーキを届けに行った帰りだ。ブラウとブルはどうしようかと考えた末、出かける時に軽く羽織った上着のポケットに。カールがブラウ、むつきがブルを入れて連れて行く事にした。仔猫達はみゃーみゃー最初はけたたましかったが、ねずみのおもちゃを与えるとがじがじかじっておとなしくなった。

 2人でこうしてのんびり歩くのも随分久しぶりかもしれない。体調を崩していたせいもあるけれど、元気なうちは元気なうちで藩国の事とか、戦争とかでバタバタしていてのんびりどころではなかったから。乾いた風と照りつける太陽も、どこか心地よかった。

 友人達の喜ぶ顔を思い出し、顔をほころばせながら。帰る足で夕飯の材料を求め市場に向かう事にした。

 さすが夕飯時なだけあって市場は賑わいを見せていた。仔猫達は魚屋の前を通るとみゃーみゃー再びけたたましく鳴いていたが。まだ3ヶ月の子達に魚は早いだろうから我慢して貰う事にし、替わりに果物屋でキウイを買い、与えてやった。ブラウとブルはそれに鼻をヒクヒクさせながらごろんちょした。

「凄いな、散々暴れてたのに」

 カールは自身の上着のポケットの中でキウイを弄ぶブラウを軽くつつきながら呟くのをむつきは苦笑しながら答えた。

「うん。キウイってマタタビと種類同じだからマタタビみたいになるかなぁ、て思って」

 ブラウと同じくキウイで遊ぶブルを指でそっと撫でてやりながら、むつきは夫と腕を組んで八百屋で野菜を見繕う事にした。腕を組むのは、イチャつきたいのもあるけれど何分人が多いからうっかりはぐれない為も兼ねている。

 艶々した野菜を手に取り晩ご飯のレシピを頭で組み立てていると、両親と手を繋いではしゃぐ子供が目に入り。むつきは目を細めた。

『そろそろ子供作りませんか?』

 数時間前、自宅でした会話が頭の中で再生され。ちょっと照れ臭くなった。

「ねえ、カール。私達の子供、どんな子になるのかな?」
「また、早い話だな」
「にゃー・・・・・・、確かにそうですけどー。想像くらいしたっていいじゃない」

 視線の先の子供は母親の手を離すと父親に抱えられ肩車をされてきゃっきゃと喜んでいる。

「男の子だったらカールみたいに戦闘機が好きな子になるのかな」

 むつきの頭の中に、度々自宅に遊びに来ては夫と戦闘機の話をして帰って行く少年が思い浮かんだ。

「じゃあ、女の子だったらお前みたいになるのか?」
「体調崩しやすいところとか似ないといいんだけど」

 ウチの子になるのは男の子かしら、それとも女の子?
 双子かもしれないし、三つ子かもしれない。
 ああ、でも男の子でも女の子でも。1人でも子沢山でも可愛いウチの家族になるのだ。

「生まれてくる子は、あなた達の弟か妹になるんだからね。生まれてきた時は、一緒に遊んであげてね」

 キウイにごろんちょして、いつの間にか眠ってしまったブルに小さく囁いて。カールと目を合わせ、一緒に笑った。

「今晩の用意買い終えたら一応おもちゃ屋にも行ってみるか?」
「カールだって気が早いじゃない。ちょっと荷物になるかもだから、また明日にしましょ?」
「2匹に作ったみたいに作ってみるのも悪くないかもな」
「うん、じゃあ赤ちゃんのお洋服にも挑戦しましょうか」
 

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 本当に、本当にまだ先になるだろうけど。

 こうやって、また貴方と幸せを少しずつ少しずつ積み重ねていけたらいいな。なんて。
 
文族のお仕事 10:56 comments(2)
那限・ソーマ=キユウ・逢真@FEGさん依頼SS
 初めて見た世界は

 芳しい香りと温かな花びらに包まれて。
 馬や牛によく似た聖獣達が見守る中。
 星も見えない新月の夜。
 また新しい生命が、いくつも生まれた。
 闇の中、その生命達が生まれる瞬間に立ちあった妖精の羽根だけが世界を照らしていた。


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 ・・・・・・・・・くらいなぁ。

 生まれたての妖精が初めて瞳を開けた時、第1に思ったのはそれだった。
 寝ぼけながら妖精は、自身の羽根を広げ。湿ったそれを乾かした。
 そして妖精はぼんやりうつらうつらしながら辺りを見渡して。それが間違いである事に気が付いた。
 自分の羽根から淡い光が出ていたから。そして、自分とお揃いの布団から出てきた兄弟からも。

 ・・・・・・・・・きれいだなぁ。

 第2に思ったのは、それ。

 きらきらと光る燐光に見惚れながら。あちこちの花のお布団から漏れ出る光とお揃いの光がくるくる回っているのに気が付いた。
 
 妖精は、自分の濡れた羽根を動かしてみた。まだ完全に乾ききっておらず、重くてパタパタと羽ばたく事はまだできなかった。

 不思議に思って妖精は、くるくる回る光の方を。目を凝らして見てみた。

 光の正体は長い髪を1本に結った妖精。自分達よりお姉さんなのかもしれない。彼女は空中をくるくる回りながら、両手を広げて飛び回っていた。それは正確には空中を踊っているのだが、まだ語彙の少ない生まれたての妖精には違いが分からなかった。

 やがて、飛び回っていた妖精は伸ばした手をある方向に向けて差し出した。
 その方向には、自分達よりも何倍も大きな、真っ暗だったら気付かない格好の男。羽根は見つからなかった。

「おどろう?」

 彼女の笑顔が輝いて見えた。彼女の方がお姉さんだから、羽根の光も強いのかしら?
 妖精よりも何倍もある手と手を取り合って、くるくると回り出した。やがて、2人ともきらきらと素敵な服に姿を替えて。

 ・・・・・・・・・いいなぁ。

 生まれたての妖精は、どちらに向かってか分からない感想を心の中で呟いた。
 
 大きな男と手を取り合った妖精は、何故か顔を赤らめて。羽根と同じく表情もきらきらして見えた。

 何でそんなに幸せそうなんだろう?
 その人はそんなに素敵な人なの?
 今がとっても幸せなの?

 ひらひらと大きな男から離れて笑って飛んでいくお姉さんの妖精を見て、幼い妖精は布団の花の向こうの世界を思った。

 羽根は、彼らを見ている間に乾いたようだ。
 飛び回る彼女を真似て、幼い妖精は羽根を広げ。銀色の花の布団から飛び立った。

 ひらひら、ひらひら

 同じように姉や妹、兄や弟達もゆっくりと。次から次へと飛び立って行く。

 皆、一様に外の世界を見たいと思っていた。
 自分達の姉のように、もっときらきらと輝けるようになりたいとも。

 でも、まずは先に。

 すぐ近くの水場に降り立ち、生まれて最初の水をすすった。

 穏やかな目の生き物達に囲まれて。

 新月の晩にしか見られない、こんなお話。
文族のお仕事 14:29 comments(0)
多岐川佑華@FEGさん依頼SS

指輪を見つける前のお話

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 ゴゴゴゴゴゴゴ

 遠くで工事の音が響く。奥に引っ込んでいても小さく音は聞こえたし、震動は肌で感じられた。

 だが、多岐川佑華にとってそれは酷く些細な事だった。
 しゅーんと猫耳を垂れ下げ膝を抱えた。

「ショウ君・・・・・・・・・・・・・・・」

 佑華の最愛の同棲相手・小カトー・多岐川は現在不在だった。

『すぐ戻るけど、危ないから外には出るなよ』

 そう言い残して小カトーは姿を消した。
 食料は、2人暮らしな上に今は1人だから当分買わなくても問題はないが。
 だが、それもやはり佑華にとっては些細な事の1つだった。

「だってショウ君いないんだもん」

 本当は探しに行こうか本気で考えたが、小カトーとの約束を破るのは嫌だった。それに、ひょんな事から共和国と帝國を行き違いになった前科もある。1度起こったまた起こらないなんて事、ありえないのだから。

 だから・・・・・・・・・。

「早く帰って来てよぉ・・・・・・・・・」

 猫耳をシューンとさせて佑華は、暗闇の中膝を抱えて目を閉じた。

 遠くからはまだ、鉄骨を組み上げる音が聞こえていた。


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 サイボーグのおじい達が懸命に作業を行っているのを尻目に、小カトー・多岐川は帰って来た。手には佑華への土産の彼女の好物であるチョコレート菓子の入った袋を持って。幸い、これを買うのに苦労はしなかった。軍人が巡回している地域は安全だと分かっていたから。

「ただいまー」

 鍵を開け、いるであろう彼女に向かって声をかけた。
 が、尻尾ふりふりな勢いの「おかえりー」は帰って来なかった。

「・・・・・・あれ?」

 小カトーはいぶかしみながらも靴を脱いで部屋に入った。

「佑華―」

 かくれんぼするには狭すぎるスペースの中、小カトーは恋人の姿を探した。彼女の性格だから、危ない真似はしないと思うが、万が一・・・・・・・・・・。小カトーはホルダーの銃を引き抜き安全装置を外した。そして、五感を集中させた。

 ガタン

 外からじゃない、家の中で小さく音が響いた。
 どこからだ? 小カトーはお世辞でも上手いとは言えない銃の腕を披露しなくていい事を願いながら音のした方向を探す。

「うー・・・・・・・・・」

 うー・・・・・・・・・?

 しょっちゅう聞いている声が。物音のした方から。

 あ。

 そこがどこかを確認してから、小カトーはかくん、とずっこけかけた。ずっこけながらも、手は引き抜いた銃の安全装置を付け直している。

 小カトー・多岐川の同棲相手にして恋人の多岐川佑華は、いじけたりへこんだりするとクローゼットに入り込むという妙な癖があった。本当は押入れがあったらそこに潜り込みたかったのは内緒の話だ。

「おーい、佑華―・・・・・・・・・?」
「あ、ショウ君?」
「うん、ただいま」
「おかえりー」

 ギギギギギギギ

 クローゼットは引きつった音を立てて暗闇から手がにゅっと出て光る瞳が見えた時は、再会の喜びよりもちょっとだけ恐怖が勝った。この登場の仕方はちょっとしたホラーである。ちなみに、音の原因はクローゼットの扉が立て付け悪いからである。あと、佑華は猫妖精だから本物の猫みたく光る。かもしんない。

 だが、小カトーも佑華も笑顔だった。いや、小カトー引きつってたけどそれは一瞬の話だ。

「ほい、お土産。佑華好きだろ?」
「あっー、チョコレート。うん好きー」

 お茶を淹れようと台所に向かおうとして、ふと佑華は止まる。

「・・・・・・・・・ショウ君、工事いつ止まるかなぁ?」

 そう、外はまだゴゴゴゴゴとかギギギギギと機械音やら金属のこすれ合う音やらが振動を伴って響いているのだ。揺れる中、やかんに火をかけて大丈夫なのだろうか?

 あー、と思いながら。小カトー、一言。

「電機ポット。確かあったからそれでお茶作れば?」
「あー」

 普段お湯が必要な時はもっぱらやかん派だったから盲点だった。
 こっくり頷いた佑華はポット発掘に再びクローゼットを開けて宝探しを開始した。てか、クローゼットは服仕舞う所ではないのかこの家では。

 苦笑しながら、多岐川はぼんやり彼女に渡す予定の指輪の事を思った。
 あれ、この揺れのせいでいつも置いてる所からなくなってないといいけど。

 佑華がその指輪を発見するのはこれから数日後の事である。
文族のお仕事 22:38 comments(0)
船橋鷹大@キノウツン藩国さん依頼SS

いつか来るその日のために

 理想は、アララさん。
 綺麗で、優しくってお料理も上手で。旦那様の高原さんといつまでも仲良しで。
 そんな素敵な。
 お母さんになりたいなぁ・・・・・・・・・。


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「えーと・・・空歌は子供欲しい?」
 
 あの鷹大からの思わぬ告白から数日後。
 空歌は再び高原家に足を運んでいた。
 今日は友人の翠蓮にケーキの作り方を教わりに来たのだ。
 ちなみに夫婦は買い出しに行って今はいない。
 テーブルの下でアントニオがあくびをしながら丸まっているのを尻目に。
 空歌は湯煎にかけながら卵と砂糖をかき混ぜていた。おっかなびっくり、だけど卵が固まらないよう気を付けながら。全体的にもったり白くなるまで。
 隣で翠蓮は小麦粉をふるいながら、うっかりひっくり返さないよう見守っている。ちなみにアントニオも寝そべっているが、キッチンから目を離していない。ちょっと大げさかもしれないが、空歌には卵をレンジでチンして大爆発を起こした前科があるのだ。まあ、その時を思えば大分改善された。と信じたいが。

「でも、どうして急にケーキ作りたいって思ったの?」

 缶詰のフルーツを程よい大きさに切り分けながら翠蓮は聞いてみる。ちなみに空歌はまだおっかなびっくりハンドミキサーと格闘している。

「う、うん。えっとね、アララさん」
「ママ?」

 もったりと白くなった卵にハンドミキサーで8の字を描くと、バニラエッセンスを数滴。甘い香りがふわりと漂った。

「ほら、この間の鷹大君の誕生日のケーキ。あれとっても凄かったよね」
「あー」

 思い出すのは数日前の高原家。この家では普通のつもりなのだが、流石にテーブルの上にケーキ20個は一般の家庭では並ばないかもしれない。

「数もそうだけど、みんな味が違ってたもんね」
「うん、定番のショートケーキにチョコレートケーキにチーズケーキに」
「そういうの、自分の子供に食べさせられたらなぁ、て」

 その言葉に翠蓮は目をぱちくりさせて、空歌の腹部を凝視した。ボールに小麦粉がちょっと多く入ってしまったが、混ぜる時に気を付ければ問題ないだろう。

「あ、まだいないよ。でもできたらいいなぁ、て」
「空歌ちゃん気をつけて、ハンドミキサーはもういいよ」

 顔を赤らめてボールにハンドミキサーを放り投げようとするのを慌てて阻止してゴムベラに持ち替えさせた。

「でも、最近この国もゴタゴタが大分落ち着いて来たでしょ? それに・・・・・・・・・」

 空歌の頭の中で鷹大のあの言葉がリピートされ、ほおっと顔が赤らむ。一応手は動いているが、気のせいかいつもより勢いがある。というか中身がその勢いでべちゃべちゃボールから飛び出しまくっているから翠蓮は取り上げてさっくり混ぜ直した。でも、少々耳年魔なお年頃。会話を中断する気は毛頭ない。

「それに?」

 翠蓮が聞き返すと、空歌の赤い顔が更に赤くなって湯気まで出そうになってきた。
 でも、空歌の様子で数日前の誕生会の事を思い出して察してしまった。

 ああ、そっか。新婚さんだもんね。

 思うと、顔がにまにまとしてくるのを感じて。多少飛び散ったけど粉っぽさの消えたケーキの素を一旦その場に置き。空歌にぎゅっと抱き付いた。そして小さく言った。

「早く会えるといいね」

 ただし、その言葉で今度こそ空歌は爆発したのだけれど。

 
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 今日は翠蓮ちゃんに習って桃のショートケーキを作りました。
 肝心のスポンジが、混ぜすぎちゃったのかちょっと固くなっちゃったけど塗った生クリームと桃が美味しくってよかったです。
 それに、鷹大君が美味しいと言ってくれたのが1番嬉しかったです。
 今度は失敗しないようできるといいなぁ。
 
 そして、いつか生まれてくる子にも。「美味しい」て言ってもらえるといいなぁ。


文族のお仕事 21:07 comments(0)
多岐川佑華@FEGさん依頼SS

 何でもないような事が幸せなのです

 多岐川は幸せだった。何故なら、朝起きたら大好きなショウ君と会えるようになったのだから。
 ・・・・・・・・・まあ、多岐川の最愛の人・小カトーは最近寝る為に帰ってくるのであり。じっくり顔を合わせる機会はなかなかなのだが。
 小カトーのあどけない寝顔を見ると目じりが下がるのを感じた。
 えへへ、私今ショウ君と一緒に住んでるんだ。
 思うと、運で勝ち取ったアパートのこの家も一層愛しく思えてくるのだった。

 これから語るのはとある同棲生活をしている2人の男女の何でもない日々の話。
 何でもないからこそ、幸せな日々の1つ。


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 ・・・あれ?

 久々に一緒に食事を取ったある日。多岐川は違和感に気付いた。
 多岐川が小カトーと一緒に暮らしているのは6畳一間の少々狭いアパート。
 よって、食卓も2人向かい合ってちゃぶ台に座る形となるのだが。
 多岐川は一旦座り方を変えてみて小カトーをもう1度見た。
 小カトーは、んまんまご飯を頬張っている。今日は男の子が大好きな肉料理だ。熱のこもった視線に気付き、目をこちらに向けた。
 ・・・・・・・・・確かにショウ君のが、私より背ェ高いけど。でも、何か目線がおかしい?
 心配されたくなく、多岐川は笑って小カトーのほっぺに付いたご飯粒を取ってやった。


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 次に違和感に気付いたのは洗濯の時だった。
 多岐川がネットに入れるものと後で入れるものを籠から取り分けて洗濯機に放り込んでいる時だった。

「なあ、ユーカー」

 小カトーがパジャマ替わりのTシャツと半ズボンの姿で首にタオルをかけて顔を出した。頭からぽたぽたしずくが垂れている。

「あっ、ショウ君。頭凄い濡れてる」
「んー、何かドライヤーとか使うの面倒くさくてさ。風、熱いし」

 多岐川にされるがままの状態で、小カトーが会話を続けた。多岐川は一生懸命小カトーの頭をこすらぬよう押さえるように水滴を拭いてやっている。

「何かさ、俺の服小っさくなったみたいなんだけど」
「えー?」

 どうしよ、洗濯手洗いと普通と間違えたかな? それとも洗剤?
 多岐川は主婦じみた事を頭に浮かべた。

「ごめん。何か私洗濯ミスしたかなぁ?」

 シュン、と多岐川のネコミミが下がる。ちなみに、コイツPLACEが猫妖精と発覚するまでは自身の耳は付け耳だと信じていたのは内緒の話だ。
 大げさだな、と小カトーは笑いながらシュンとした多岐川の耳を軽く触れてやる。

「別に、今暑いし俺の服半袖だからそんな目立たないから大丈夫だよ」
「うん・・・・・・・・・。でも、縮んでるの見つかったらカッコ悪いし。明日お休みなら、買いに行こ?」
「うん、そんで散歩とかする?」
「うんっ、デートー」

 鳴いたカラスが何とやら。
 気付いたら若いカップルはぎゅーぎゅー抱き合いながらのほほんと会話を楽しんでいた。
 
 ちなみに後日、チョクチョク多岐川宅に訪れる是空藩王の鶴の一声でこのささやかな問題は解決する事となる。

「あれ? 小カトーお前背ェ伸びたんじゃね?」

 多岐川は幸せである。大好きな小カトーと一緒に同じ家で寝食できる生活ができる様になったのだから。
 ・・・・・・・・・本当は、お嫁さんにしてもらえればもっと幸せになれるかもしんない。
 思い立ち、その言葉を彼に告げるのはそれからちょっとした頃である。
文族のお仕事 21:25 comments(0)
桜城キイチ@キノウツン藩国さん依頼SS
それは、とてもよき出来事

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 黄昏荘園の屋敷の一室。
 その荘園の主に仕えるメードはいつものように、主人の為に紅茶を淹れた。もうお歳を召されているから、カフェインが控えめなフレーバー入りのミルクティーを。
 あらかじめ用意したポットの茶葉に、沸騰したお湯を注ぎ砂時計をセットする。
 それを見計らって主人は自分に仕えてくれるメードに声をかけた。

「今日は、楽しかったね」

 メードは顔を上げ、主人の顔を見た。きょとん、としてから笑顔で

「ええ。とても」

 素直にそれに返答した。
 主人は少し笑ってから満足そうに頷いた。
 それにメードも静かに笑みを増した。

「よい出会いをしたね」
「いい方達でした」
「今度出かける時は、訳の分からないものに怯えずに済むと良いね」
「ええ、本当に」

 砂時計の砂が、完全に下に零れ落ちたのを見計らって。
 メードは主人との会話を楽しみながらも用意していた既にミルクの入ったカップにポットの紅茶を注いだ。赤みの深い液体がミルクの白と混じり合い、新しい色に変わった。

ソーサーと一緒にカップを受け取ると老人は香りを楽しんでから軽く息を吹きかけて。一口啜った。

「本当に、今日はいい日だったね」

 その言葉にメードは笑顔で言った。いつか古い友人にも似たような事を言ったかもしれない言葉を。

「明日は、もっといい日ですよ」


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 始まりは、1通の招待状からだった。
 キノウツン旅行社から自分宛のそれが届いた時は何かの間違いだと思った。
 何故なら、自分はただの万能ねえや、の端くれに過ぎないのだから。

「行かないのかね?」

 受け取った手紙に目を白黒させる田辺――この屋敷に使える万能ねえやの名前だ――に対し、車いすの主人は不思議そうに問いかけた。
 そう、これは「秋の園に遊びに来ませんか?」と、そういった内容のお誘いだったのだ。それと一緒に秋の園行きの飛行機のチケットも同封されていた。
 田辺は、面食らっていた。万能ねえやとして本格的に活動する前の貧乏性が表に溢れ出てしまっている。ああ、私なんかが秋の園に日帰り旅行だなんて、こんな贅沢許されるのでしょうか? というか、そもそも私にはお世話するべき旦那様が・・・・・・・・・。

 1人田辺がテンパっていると、車いすの主人は事もなく携帯を取り出し電話をかけた。

「こんにちは、秋の園行きのチケットを1枚調達したいのだが」

 田辺のチケットを確認させてもらい、隣の席を指定して用意してもらった。
 主人は電話を終了させると穏やかに言った。

「1人が不安なら私も一緒に行こう。それに田辺さんが不在だと私もちょっと不安だしね」

 その言葉で田辺はパッと笑顔が戻り。パタパタと外出の準備に取り掛かった。


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 訪れたのは紅葉した葉が美しい場所だった。赤と茶、黄色のコントラストが映えて見えた。ちょっと涼しかったので主人の体調に障りがないか不安だったから持って来た薄手のブランケットが役立ってくれて本当によかった。

「旦那様、いかがですか?紅葉が綺麗ですよ?」
「そうだね。田辺さんや。おお」

 主人の車いすを押しながら、ひらひら舞い落ちる紅葉を楽しんでいると。
 2人の男性がこちらを見ているのに気付いた。
 頭にバンダナ巻いた、少々目つきの悪い男性が1人。眼鏡を着用してるけど糸のように細い目の青年が1人。
 どうやら彼らが自分をこちらに招待してくれたらしい。

 眼鏡で糸目の青年が、一歩出て挨拶をしてきた。

「お初にお目にかかります、桜城キイチと申します」

「あの人かな」

 主人の小声の言葉に「恐らく」と小声で田辺は返した。

「キノウツン旅行社の高原と申します。本日はお出で戴きありがとうございます」

 今度はバンダナの男性が礼をしながら挨拶をしてきた。丁寧に、名刺まで出して。
 田辺が主人の代わりに受け取るのを見ながら、主人はふと熱い視線に気付いた。
 視線の主は糸目の青年。確かついさっきキイチと名乗ったか。
 視線の先は。ああ、そうか。

「黄昏荘園の主です。田辺さん、キイチさんと話してきてくれんかね」

 田辺はきょとんと一瞬主人とキイチ青年を見比べた。
 大丈夫、そう目配せすると

「承知しました」

 会釈してからおさげの可憐なメードは車いすから手を離し、青年の方に足を向けた。
 糸目の青年は、心なしか顔が赤く全身ガチガチに固まって見える。
 
「若いのはいいねえ」

 老人が自身の若い頃を思い出しながら呟いた言葉に高原と名乗った男性は

「全くです」

 そう同意してくれた。


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「じゃ、キイチさん。時間までに何かあったら呼んでくれ」
「ありがとうございます」

 高原さんはそう言って手を振ってくれた。それに手を振り返して改めて彼女と向き合った。
ああ、高原さん。田辺さんが仕えてる園主様の話相手になってくれるのか。
 それにしても、こうして実際に会ってみると・・・・・・・・・。
 さっきの園主様に対しての対応といい、今こうしてにこにこ笑いながら私の前に立ってるのといい。
 やっぱ素敵な女性だ。ナースメード姿も含めて、彼女に対して胸が高鳴るのを感じた。
 ごくんと驚かれない程度に唾を飲んでから。

「えーと田辺さん、とお呼びすればよろしいでしょうか?」
「はい」

 優しげな表情で、初めて会った彼女に

「桜城さん」

 名前を呼ばれただけなのに、嬉しくて、反面酷く狼狽して。

「はい!」

 思わず返事してしまった言葉は引っくり返ってしまっていた。

「はい?」

 ああ、初対面の相手を驚かせてしまった。そこは、反省してる。


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 初めて彼女に会った日の事は今でもハッキリ覚えてる。
 彼女が自分の仕えている園主様をどんなに慕っているのか、とか。彼女が初対面の自分に対しても反応が優しかったのとか。笑顔が優しくってどれだけ眩しく感じられたのとか。

 ・・・・・・・・・ああ、秋の園の思い出は彼女そのものだ。

 初めて会った時は共和国も帝國も大変な時期で、彼女がお仕えしている園主様もご家族が不幸な目にあってそれを悲しんでいる時期だった。

’手の届く全てを守ると決めた’

 私の尊敬する人の言葉を思い出したのは、悲しんでいる彼女を見た時だった。彼女の笑顔を見た時だった。

 今度会える時は、彼女達が悲しみに暮れていないよう。何かをしよう。できる事を探そう。

 世界を変えようと思うのってこういう事からなんだなぁ。
 あの日1日の事を思うと、彼女に出会えた喜びもそうだけど色んなものがこみ上げてくる。
 でも。
 胸を張って言える。あの出会いはいいものだったのだと。

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万能ねえやの田辺さん、私もファンです。でもちょっとマイナーだと思ってたからまさか彼女が登場するログが読めると思わなかったから本気で嬉しかったです。
どうか、彼女との仲が上手くいきますよう。
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